2016年 節目の年に。

2015年12月24日の刑事裁判の初公判から1年が過ぎ、
今年(2016年)の5月30日に判決が言い渡され、
ひとつの大きな節目を迎えた年となりました。

2012年7月20日から、
慎之介の死と、この事故と向き合ってくれた公的機関は、
警察、検察、裁判所でした。
今年は、内閣府、文科省から、保育事故・学校事故に関する
ガイドラインが通知されました。
しかし、
遺族が自治体に自ら調査を要請する、
刑事告訴や民事提訴をする、
社会活動を行うなどして問題提起するなど
行動を起こさない限り、
子どもの死が埋もれてしまう現状は相変わらずです。

子どもの声に耳を澄まし、
命と向き合うこと、
繰り返さないためにできる事は何かを、
問われていると思っています。

そして、やはり、
この事故の当事者である学校法人ロザリオ学園、西条聖マリア幼稚園、
当時の引率教諭8名には、
真摯に誠実に慎之介の死と子どもたちと向き合い、
何が教訓なのかを考え、自分の言葉で伝えていただいきたいと思います。
正直に、誠実な一歩を踏み出すことが、とても大切だと考えています。

同様に行政も、事故の再発防止・未然防止に関する取り組みや教訓を活かすために、
その場しのぎの対応ではなく、真摯に受け止めて頂きたいと思います。

子どもの事故・事件が繰り返され続けている現状が変わることを願い続けます。
そして、
事故が起きた後に考える再発防止から
事故が起きる前にできる未然防止の理解が広がりますように。

多くの出会いと貴重なご縁を大切に
次の一歩へ繋げていきたいと思います。

2016年12月31日
吉川優子

愛媛新聞に愛媛大学での講演会に関する記事が掲載されました。

2016年12月26日付 愛媛新聞
愛媛大学での講演会(20日)に関する記事が掲載されました。
当日のNHKニュースでも、聴講された学生さんの意見を聞くことができました。
伝えることの大切さを、改めて学ばせていただくことができました。
聴講してくださった学生の皆さん、本当にありがとうございました。

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愛媛新聞ONLINE 掲載記事:「子の安全守る仕組みを」西条・加茂川園児死亡 愛媛大で両親が再発防止へ講演

 
2012年7月の幼稚園のお泊まり保育中に愛媛県西条市の加茂川で流され死亡した吉川慎之介ちゃん=当時(5)=の両親がこのほど、松山市文京町の愛媛大で講演し、社会で子どもの安全を守る仕組みづくりの必要性を訴えた。法文学部総合政策学科の講義の一環で、学生や住民ら約150人が聴講した。
 父の豊さん(46)は「遺族が知りたいのは、なぜ子どもが死ななくてはならなかったのか。原因を明らかにするのが責任で、再発防止につながる」と話し、保育や学校の現場で教職員への安全教育の義務化などを提言した。
 母優子さん(45)は、水遊びなどの際に子どもらへのライフジャケット着用の重要性を訴え「事故は予防できる。一つの事故から学びきり、防止に努めることが大人の課題だ」と思いを述べた。
法文学部3年今堀嘉子さん(21)は「悲惨なニュースを見聞きしても人ごとと捉えていたが、今後は社会問題として考えていきたい」と話していた。
担当の小佐井良太准教授(法社会学)は「遺族は相手との対立ではなく、コミュニケーションによる真相究明や真摯(しんし)な謝罪を望んでいる」と講評し「子どもの命や安全を守る活動に関心を持ち続けてほしい」と会場に呼びかけた。

・・・・・・・・・・引用終了・・・

※クリックすると拡大してご覧になれます。

2016年12月26日付 愛媛新聞

2016年12月26日付 愛媛新聞

2016年12月4日~20日シンポジウムのご報告

保育・学校事故や子どもの事故について考えるシンポジウムで
登壇させて頂きました。
 

2016年12月4日
子ども安全計画研究所設立シンポジウム

子どもの命を守り、質の高い教育・教育を考える
-子どもの育ちと保障のと重大事故防止の両立に向けて-

関連ページ:「2016年12月4日子ども安全計画研究所設立シンポジウムに参加しました。」(一般社団法人吉川慎之介記念基金サイト)

 

2016年12月7日―8日
朝日新聞社主催:子どもの「まさか」を考える朝集中会議

関連ページ:「子どもの「まさか」を考える朝集中会議に参加しました。」
(一般社団法人吉川慎之介記念基金サイト)

 

2016年12月10日
小さないのち~守るためにできること

主催:朝日新聞社 共催:Safe Kids Japan

関連ページ:「小さないのち~守るためにできること」
(一般社団法人吉川慎之介記念基金サイト)

 

2016年12月20日
愛媛大学法文学部特別講演会
「子どもの安全を守りたい~吉川さん夫妻とともに」

関連ページ:「愛媛大学法文学部開講科目「紛争と裁判Ⅱ」特別講演会で登壇しました。」(一般社団法人吉川慎之介記念基金サイト)

 
 
慎之介を通じて頂いた、多くの出会いに感謝しております。
これからも、できる限りの事を続けていきたいと思っています。
 

2016年11月18日付愛媛新聞_掲載記事

愛媛新聞 2016年11月18日付 
園児死傷の現場 裁判官らが確認
西条・加茂川損害賠償

2012年7月に西条市中奥の増水した加茂川で
西条聖マリア幼稚園(同市大町)の園児が流され
3人が死傷したのは引率教員らの注意義務違反などとして
遺族らが園を運営する学校法人ロザリオ学園と当時の理事長ら計9人に
慰謝料など計1億5589万円の損害賠償を求めた訴訟で17日
松山地裁西条支部の裁判官ら約10人が現地を訪れ、現場の状況を確認した。
現地の加茂川上流では
裁判官に原告がAと被告側が
「あの辺りの岸で子どもが救われた」
「水はくるぶしくらいまでと聞いていたが
 子どもの胸の高さくらいまであった」
などとそれぞれが説明。
亡くなった子どもが見つかった場所や川の流れなどを確認していた。

掲載記事はこちら:2016年11月18日付け 朝日新聞「園児死傷の現場 裁判官らが確認 西条・加茂川損害賠償」(PDF形式)

平成28年11月17日 NHK松山放送局園児死亡水難事故で裁判官視察

NHK松山放送局

NHK 四国 NEWS WEB より:「園児水難死亡事故で無罪主張」

 
4年前、西条市の川で幼稚園の行事で水遊びをしていた5歳の男の子が増水した川に流されて死亡した事故をめぐる裁判で、裁判官が、現場の川を視察し、事故当時の様子について説明を受けました。
平成24年7月、西条市の加茂川で、幼稚園の「お泊まり保育」で水遊びをしていた吉川慎之介くん(当時5歳)が増水した川に流され死亡しました。
裁判で、両親らは、「幼稚園側が安全管理を怠ったのが原因だ」などとして幼稚園の運営法人などに、1億5000万円あまりの損害賠償を求めているのに対し、運営法人側は、「事故は予測不可能で、過失はなかった」などと主張しています。
松山地方裁判所西条支部の裁判官3人が現場の川を視察し、原告の弁護士らから園児たちが遊んでいた場所や事故当時の水の深さ、それに、救助の状況などについて説明を受けました。
裁判所は、視察の結果をふまえて今後の裁判の進行を協議することにしています。
慎之介くんの父親の吉川豊さんは、「事故が繰り返されないためにも裁判官に、当時の川の様子などを知ってもらえてよかった」と話していました。
この事故をめぐっては、ことし5月、刑事裁判で幼稚園の元園長が業務上過失致死の罪で有罪判決を受けています。

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平成28年11月17日
進行協議期日-石鎚ふれあいの里にて

平成28年11月17日(木)14:00~15:00
今回の期日は、石鎚ふれあいの里で行われました。
裁判官たちに現場を視察していただきました。

※写真はクリックすると拡大してご覧になれます。

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以下2枚の写真は、平成24年7月20日、事故当日の写真です。
当時、子ども達を救助してくださった観光客の方から頂いたものです。

平成24年7月20日13時21分(観光客の方が到着したころ) 石鎚ふれあいの里前から上流方面

平成24年7月20日13時21分(観光客の方が到着したころ):石鎚ふれあいの里前から上流方面


平成24年7月20日15時05分 上流方面から引き返している子ども達と先生

平成24年7月20日15時05分:上流方面から引き返している子ども達と先生


 
保護者説明会では、水深は足首程度の安全な場所での「水遊び」との説明でした。
この件に関し、越智亜里被告は、保護者から水遊びについて、何も質問が無かったと、供述しています。
午前中、現場では雨が降っていたので、子ども達が到着した時
道路やグランドに水たまりがあり、先生方は、その水たまりを確認していました。

川遊びの場所の選定を、子ども達を引き連れて当日に行っています。
当初、上流方面が安全だろうと考え遊ばせてみたら、
子どもが転倒したので、やはり、例年通りの場所(流された所)にしようと、
子ども達と先生が引き返している場面です。
全員、裸足です。
この中には、発熱している子どももいます。
この後、川遊びの範囲を定めず、バラバラに思い思いの場所で
子どもたちは遊んでいました。
村上玲子被告は、この年の男の子は、元気な子が多かったので、例年以上に注意していたと主張しています。
40分以上も行われていた水遊び。
寒いといって、河原に上がっている子ども達もいました。
子ども達の唇は真っ青でした。
そこで、予定より少し早いと思ったけれど、上がることを決めたとのこと。
「上がりましょう」と越智亜里被告が声をかけた後、
子どもたちを河原に集合させ、子ども達の人数や状態を確認することなどはせずに、
子ども達は、バラバラに、自分がいた場所から、自分の意志で、川を渡っていきました。
その最中、増水が発生し、4人の園児が流され、10人の園児が川の中にある岩の上に取り残されました。
救命救助・通報をしたのは、ふれあいの里のスタッフと観光客の方でした。
救助された子どもたちを励ましたり、面倒を見ていたのも、観光客の方達でした。
子ども達は、事故後、知らない先生がだっこしてくれた、助けてくれた、と表現しています。

園児たちを迎えに来た保護者に引き渡していたのは、一番最初に到着した
保護者の会の役員である保護者でした。

その現場を、裁判官たちに確認していただきました。

ロザリオ学園とマリア幼稚園の先生方の代理人は、
上流域にある住友共同電力の固定堰を
確認してほしいということで、裁判官たちを案内しました。
子ども達が流され、慎之介が溺水した要因は
固定堰からあふれた水、越流が関係しているのだと
刑事裁判では認められなかった主張を、民事裁判で続けています。

 

原告側準備書面

準備書面10(PDF)

準備書面11(PDF)

準備書面12(PDF)

準備書面13(PDF)

 

2012年10月、現理事長のホアン氏から頂いた手紙には
正義を求め原因を知りたい、警察の捜査結果を待っている、
私達の助けになりたいと、綴られていますが、
民事、刑事ともに、増水した川が悪いのであって、
また、幼稚園教諭は安全に関し遵守すべき法令などは無いのだから
過失はなく、責任はないという主張です。

ホアン氏からの手紙

 

被告側準備書面

準備書面11(PDF)

準備書面12(PDF)

2016年10月3日付け朝日新聞朝刊に記事が掲載されました。

2016年10月3日付け朝日新聞朝刊に記事が掲載されました。
事故などで繰り返されている子どもの死について考える「小さないのち」という企画。
読者から寄せられた意見などがまとめられています。

「同じような死を繰り返さない」を合言葉に、理解が広がることを願います。

朝日新聞(フォーラム)小さないのち「思わぬ事故どう防ぐ」

朝日新聞(フォーラム)小さないのち
「思わぬ事故どう防ぐ」
※クリックすると拡大してご覧になれます。

朝日新聞(フォーラム)小さないのち 思わぬ事故、どう防ぐ

 
 
■教訓生かす講座開講 長男を亡くし自ら事故予防に取り組む、吉川優子さん(45)

当時5歳だった長男の慎之介(しんのすけ)=写真左=は4年前、通っていた愛媛県の私立幼稚園でのお泊まり保育の川遊び中、増水で流され亡くなりました。

県や市、文部科学省に事故検証と予防策を訴えましたが、いずれも「再発防止のための検証の権限はない」との回答でした。幼稚園からは「話せない」と言われました。同じ園の保護者と現場に通って救急隊員や観光客など関係者に聞き取りし、独自に検証委員会をつくり、民事裁判も起こしました。

裁判はあくまで関係者の法的責任を追及する場だとは理解していましたが、教訓を生かして子どもを守ってほしいという私の強い思いはそこに託すしかありませんでした。

教育・保育施設などでの事故死、いじめによる自殺、虐待などの分野では担当省庁ごとに検証制度がありますが、管轄を分けず、すべての子どもの死を一括して検証する組織と制度が必要ではないでしょうか。

今もどこかで、事故や虐待などで命が失われています。夫と二人で社団法人をつくり、昨年、「子ども安全管理士講座」を開講しました。事故時の対応や予防策などを専門家が教え、今月と来月も講座を開きます。慎ちゃんを失った悲しみは消えません。だからこそ、起きるかもしれない死を防ぎたいのです。
 
 
 ■国主導で情報共有を 産業技術総合研究所・首席研究員、西田佳史さん(45)

情報を一つに集約し分析すれば、なにが危険なのかを抽出できます。

例えば私たちの研究所では、東京にある国立成育医療研究センターと協力し、病院を訪れた子どものけがの情報を2006年から登録してきました。約3万人分を読み解くと、自転車の後部座席の子どもの足がスポークに巻き込まれる事故が多いことがわかったので、後部座席下にカバーをつけるよう働きかけ安全基準が改定されました。電気ケトルによるやけど事故を受け、倒れても湯が漏れない製品が開発されました。

事故の原因がみえれば、企業や専門家などから知恵が集まり、テクノロジーの力とともに予防策が生まれます。これはけがだけでなく、事故などで亡くなった場合も同じです。しかし日本では病院や捜査機関などの組織は、事故状況などのデータ提供にまだまだ後ろ向きです。朝日新聞と専門家が分析した子どもたちの記録も、捜査情報ということもあって法医学者しか知り得ません。

国が主導的に動いて、情報共有できる法律を作り、子どもの死やけがを検証する新たな制度が欠かせません。メディアも、データが活用されないことでの不利益をもっと探るべきです。責任の追及だけでは、予防につながりません。「同じような死を繰り返さない」という合言葉を、真に実行する仕組みが必要です。

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2016年9月13日付 産経ニュースに記事が掲載されました。

2016年9月13日付 産経ニュースに記事が掲載されました。

産経ニュース「保育者の定期的な救命講習の制度化を」事故で子供失った遺族らが日本子ども安全学会で提言

 
愛媛県西条市の加茂川で2012年、幼稚園の宿泊保育中に流されて亡くなった吉川慎之介君(当時5歳)の母、吉川優子さん(45)らが10日、東京都千代田区の中央大学駿河台記念館で日本子ども安全学会の第3回大会を開き、保育・教育現場での事件事故の再発防止を呼びかけた。同学会は優子さんと夫の豊さん(46)らが設立。第3回大会には教育関係者ら65人が参加し、弁護士やジャーナリストら7人の講演や研究発表の報告に耳を傾けた。

 研究発表で、小田原短期大学非常勤講師、宮野由紀子さんは自らが保育士として働いていた経験をふまえ、現場での対応方法などについて提言をした。「保育士、幼稚園教諭の養成課程では一次救命処置の実習が義務化されておらず、実習は担当教員の任意です」と話し、子供が保育現場で倒れた際の対応の問題点を指摘。「これでは保育の現場での事故に対応することは困難です。それに現場の保育者にも定期的に救命講習を受けてほしい」とアピールした。

 質疑応答では、子供を学校行事に参加しているときに亡くした遺族からも発言があった。横浜市のBLS(一次救命処置)インストラクター、松田容子さんは「私は娘を亡くしました。小学校の卒業スキー旅行中でした。大きな病気をしたことはなく、急な心停止でした。娘の亡くなった原因が知りたいと思ったことがきっかけで救急救命のインストラクターの資格をとり、任意団体を設立しました。今は子供の事故を防ぐ活動をしています」と話していた。
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日本子ども安全学会第三回大会を開催しました。

2016年9月10日(土)
日本子ども安全学会第三回大会を開催しました。

今回、機関誌とこの大会についての案内を、
元園長はじめ事故当時の引率教諭7名とロザリオ学園に送付をしました。
2年前、この会を発足した時にも送付しました。
誰からも、返答はありません。

送付状に聖書の一文を添えました。

 一粒の麦もし地に落ちて死なずば、
 ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし。

この言葉を、ロザリオ学園の理事である司祭たちは
どのように考えているのでしょうか。
全くわからないまま、現在に至ります。

遺族が声をあげなければ事故は無かった事になる現状です。
そして、裁判が開かれ判決が出ても、同じ状況です。
私達は、歩みを止めることなく、一つ一つ、積み重ねていきたいと思います。

 
※9月11日付け愛媛新聞に記事が掲載されました。

愛媛新聞ONLINE「保育事故防ぐために 遺族ら東京で安全学会」

9月11日付け愛媛新聞

9月11日付け愛媛新聞
※クリックすると拡大してご覧になれます。

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2012年に西条市中奥の増水した加茂川で幼稚園のお泊り保育中に流され亡くなった吉川慎之介ちゃん(当時5)の遺族らが10日、東京千代田区で保育・教育現場での事件事故防止を考える『日本子ども安全学会を開催した。現場の教育関係者ら約70人が参加し、講演や意見交換を通して子どもの安全管理を考えた。
遺族らは同様の悲劇を繰り返さないために、事件事故防止を研究する団体を13年に設立。14年から毎年学会を開いているほか、安全管理に関する資格をつくり専門家の育成にも力を入れている。
学会では子ども安全計画研究所(東京)猪熊弘子代表理事が英国の保育制度を説明。子どもを預かる人や施設はすべて登録認可を受けており、原則4年に1度専門機関による認可取り消しを含めた監査を実施していると語った。「(待機児童問題もあり)日本は認可をどんどんしているが、取り消しは数件。監査制度を厳しくしないと(安全管理が整っていない)危ないところが放置されてしまう」との考えを示した。
ほかに研究者弁護士など5人がさまざまなテーマで講演。保育所や幼稚園等では毎年十数件の死亡事故が起きていると報告し、睡眠中の呼吸確認や水遊び時のライフジャケットの着用の重要性を訴えていた。
慎之介ちゃんの父豊さん(46)が登壇し、保育者に対する定期的な安全研修の制度化や事故事例の共有などを提言した。
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2016年9月8日付 産経ニュースに記事が掲載されました。

2016年9月8日付 産経ニュースに記事が掲載されました。

産経ニュース「子供の事故防げ 一人息子を水難事故で亡くした遺族の試み」

 
 
事故や災害から子供の命を守ろうと、水難事故で5歳の長男を亡くした遺族が再発防止に取り組んでいる。東京都品川区の主婦、吉川優子さん(45)。一般社団法人吉川慎之介記念基金を設立して代表理事に就任し、シンポジウムを開催するなど情報発信を続けている。

■今でも残る悔い

 吉川さんの一人息子の慎之介君は2012年7月20日、愛媛県西条市の加茂川で、水遊び中に亡くなった。一家は当時、同県に住んでおり、事故は慎之介君が通っていた私立西条聖マリア幼稚園の宿泊保育中に起きた。

 1泊2日のこの保育では、川遊びが恒例となっていたという。この時は、教員8人で園児31人を引率。川で遊んでいたところ、急に水量が増え、園児4人が流された。慎之介君が亡くなり、2人が頭や腕に軽傷を負った。

 この事故では、当時の園長や教諭ら3人が業務上過失致死傷罪に問われ、今年5月30日に松山地裁が「上流域の天候を確認しないまま安易に増水などの危険性がないと軽信した」などとして園長に罰金50万円、ほかの2人に「過失はない」などとして無罪を言い渡した。

 吉川さんは「家で海や川に遊びに行くときは必ずライフジャケットを着けさせる習慣だった。あのとき注意しておけば…。今でも悔いは消えない」と当時を振り返る。

■再発防止への取り組み

 吉川さんは2014年に一般社団法人吉川慎之介記念基金を夫の豊さん(46)とともに設立。再発防止に取り組むため、基金が運営する「日本子ども安全学会」を大学教授ら有識者20人で立ち上げた。以来、保育や教育現場での安全危機管理についての研究や情報を発信する場として勉強会やシンポジウムを開催している。アメリカの子供向け安全教育に関する専門家の講演や、保育士が実際に経験した重大事故の報告など内容は多岐に渡る。

 9月10日には東京都千代田区の中央大学駿河台記念館で、日本子ども安全学会の第3回大会を開く。午後1時からで、資料代を含む参加費は2千円(学生1千円)。子供の安全に関する基調講演や研究報告などが予定されている。
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