第一回口頭弁論
H25年10月15日
愛媛県
松山地方裁判所 西条支部
第1号法廷にて 午後2時~
意見陳述書を掲載させていただきます。
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意見陳述書
原告 吉川優子
今日は、慎之介が大好きな西条祭り、宮出しの日です。
慎之介は1歳から5歳までこの町で育ち、昨年、西条聖マリア幼稚園のお泊り保育に参加し、亡くなりました。
慎之介は幼稚園が大好きで、私は幼稚園を信頼していました。
しかし、慎之介の未来は断たれ、信頼していた思いは全て裏切られました。
事件当日、被告村上玲子から電話で「お母さん、落ち着いて聞いてください。慎之介君が鉄砲水に流されました。」と連絡を受け、私は腰を抜かしてしまいました。
一緒にいた友人に電話を代わってもらい、どうか無事であってほしいと祈りながら、車で病院へ連れて行ってもらいました。
病院へ到着すると、幼稚園の先生の姿はなく、何もわからないまま、慎之介のもとへ走りました。
救命措置を受けている慎之介の目は半開きで意識はなく、医師からは「大変厳しい状況です」と言われ、私は「しんちゃん、しんちゃん、お母さんだよ」と呼び続け、水着姿で冷えた体を必死にさすりましたが、慎之介の意識は戻ることなく、そのまま帰らぬ人となったのです。
随分後から到着したマリア幼稚園の先生方からは何の説明もありませんでした。
慎之介がお泊り保育で持って行った荷物が病院の待合室の椅子の上に置いてあったので、服を取り出し慎之介に着せました。
そして、出張のため慎之介の死を看取れなかった夫を病室で待ち、夜中に三人で帰宅しました。
この日から、慎之介はなぜ死んでしまったのか、という事とずっと向き合っています。
親としてできる事は何でもする決意をしました。
そして、今回、事件の真実を求め、また、被告らに公式の場に出てきてもらい、「被告らが、一体事件について何を考えており、どうやって責任を取るつもりなのか」を確かめたく、提訴をしました。
しかし被告らが提出してきた答弁書は
「争う」
「証拠と根拠を示せ」
―――という内容で、被告らの本性が本当によく判りました。
また、昨年9月に初めて現理事長ホアン氏が自宅に来た際、
「吉川さんにずっと寄り添いたい」「こんな対応恥ずかしい」「本当に反省しており、謝罪する」
と言っていましたが、化けの皮が剥がれ落ちるのを見た気分です。
こんな被告らを信じて、大事な慎之介を預けていた、ということが判り、本当に悔しくて、情けない気持ちで一杯です。
私たち夫婦が求めているのは、言い訳ではなく、真実であり、あなたがたが一体何を考えているか、ということなのです。
教えてください。
なぜ、あなたがたは、自分では身を守れない、あなたがたを信じるほかなかった、死ぬ瞬間まであなたがたが助けに来てくれると信じていた、たった五才の慎之介を、無残にも死においやったのですか。
なぜ、そんなひどいことをしておきながら、平然としていられるのですか。
なぜ、反省できないのですか。
なぜ、何事もなかったように過ごせるのですか。
なぜ、慎之介が死んだ状況や原因を聞いても、「説明できません」という対応ができるのか。「本部からの指示」とはどういう意味ですか。本部であるロザリオ学園理事長である被告ヘルナンデスは、どういう意図で、そんな指示を出していたのですか。
誠実に答えていただくことを求めます。
原因を究明し再発防止に努めることを、慎之介へ捧げたいと思います。
このような悲惨で残酷なことが、二度と繰り返されないことを心から強く願います。
以上
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