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子供たちは
どんなときも、お父さん、お母さん、先生
周りにいる大人たちは私たちを助けてくれる
純粋にそう信じています。

2012年7月20日
私の大切な息子、吉川慎之介(5歳)は溺死しました。
愛媛県西条市にある「学校法人ロザリオ学園 西条聖マリア幼稚園」による
「お泊り保育」が「石鎚ふれあいの里」で実施され、その前を流れる加茂川
で行われた「水遊び」中に川の水が増水し、
数名の子ども達と流された慎之介は水死しました。
浮き輪やライフジャケットなどの救命装備、準備は何もありませんでした。

このことから見えてきた事実と現実は、
大人達が持つ認識の甘さ、例年の行事だからという慣れ、
危機管理体制の不備、大切な命を守るという自覚の無さ、
そして事故後の不誠実な対応でした。
ロザリオ学園と先生方は、事故の説明と正式な謝罪について
「何もお話しできません」という対応を繰り返し
夏休みの間、二学期を通常通り開園することを最優先し、
今も責任の所在は不明で、事故の問題は未解決のまま、
子供たちを預かり保育しています。

重大な事故が発生しても
私立幼稚園に関し、指導監督する機関がないこと、
原因究明と再発防止のための事故調査等は行われないこと
相談する機関がどこにもないことを知りました。

慎之介は暗く閉ざされた問題に光を照らしてくれています。
私は母親としてこの幼稚園に通わせた責任を受け止め、
この問題と真正面から向き合う決心をしました。
“悲惨な出来事を繰り返させないためにも”

子供の命を守り育てること。
それは、大人の使命です。

吉川優子
2013年3月1日


2015年7月20日 三年を経て

慎之介が亡くなり三年の月日が過ぎました。
慎之介は5歳10か月のままですが、私は歳を重ねています。
 
事件としては、刑事・民事ともに未解決の状況にあります。
民事裁判は第9回口頭弁論期日が終わり、刑事裁判は公判前整理手続き中です。
大変厳しく、深刻な現状が続いている中、事件を真摯に受け止め、誠実に向き合うこと、教訓を活かし再発防止・事故予防に繋げるという思いに変わりはありません。
 
どうしようもない事や、やるせない思い、湧き出てくる様々な感情は、日々、心の中で変化しています。
囚われてしまいそうになることもあるし、すっと切り替えることができる時もある、その繰り返しです。
 
そして、死別の悲しみと喪失は、乗り越えることでも、乗り越えなければならないものでもなく、私の心に存在する大切なものとして受け止めております。
 
事故の教訓を活かすために法人を設立し活動を始めました。
子ども安全管理士講座は、今年の2月から始まり、7月に第二期を終え、第三期は大阪での開催が決まっています。
これまで、保育・学校事故の被害者、遺族、被害者家族、有識者の先生方、講座を受講してくださった受講生の皆様、子ども安全学会の会員の皆様など、多くのご縁を頂くことができ、また、家族や友人たちの支えのもと、一歩一歩を踏みしめることが出来ました。
問題や課題は山積みですが、前進できるように、これからも努めたいと思います。
 
慎之介の事は、いつも思っています。
そして、どんな時も一緒です。
私にできる事はなんだろう、どうしたらよいのかな、その問いかけを続けています。
慎之介と過ごした日々は、本当に楽しいことばかりです。
とても愛おしく、悲しみは深まります。
静かに偲ぶ日を迎えるためにも、真実と向き合うことに誠実にあり続けたいと思います。
 
2015年(平成27年)7月20日 吉川優子
 

2014年7月20日二年を経て

2013年7月20日一年を経て

 


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