どんなときも、お父さん、お母さん、先生
周りにいる大人たちは私たちを助けてくれる
純粋にそう信じています。
2012年7月20日
私の大切な息子、吉川慎之介(5歳)は溺死しました。
愛媛県西条市にある「学校法人ロザリオ学園 西条聖マリア幼稚園」による
「お泊り保育」が「石鎚ふれあいの里」で実施され、その前を流れる加茂川
で行われた「水遊び」中に川の水が増水し、
数名の子ども達と流された慎之介は水死しました。
浮き輪やライフジャケットなどの救命装備、準備は何もありませんでした。
このサイトは、私の息子の事故についての記録です。
事故発生から8か月後、
2013年3月1日にサイトを開設し、
事故の経緯や事後対応などを記録してまいりました。
2016年5月30日に刑事裁判の判決が言い渡され、
2018年12月19日に民事裁判も終結しました。
刑事裁判、民事裁判の記録でもあります。
わが子を突然亡くした母親、
被害者遺族、保育・学校事故遺族という立場から
私自身の率直な思いも綴っています。
裁判という対立構造の中で事実と向き合うということは
苦しい争いが続くこと、闘い続けることでもありました。
裁判が終結した今、大きな区切りを迎えたと思っています。
しかし、
事実と向き合うこと、
わが子の死と向き合うことに終わりはありません。
思いを新たに、事故予防と再発防止の活動に尽力してまいります。
被害者や遺族が声を上げなければ
子どもの死がなかったことになってしまう現状を
変えなければなりません。
事故調査・再発防止・事故予防の仕組みと
法律や制度が整備され、
子どもの命が守られる社会になることを願います。
2019年1月20日
吉川優子
今も私の中で、
慎之介の笑顔は輝いています。
これまで、多くの出会いに恵まれたことに、
心から感謝しております。
この10年、
子どもの命を守るために、
様々な取組や活動が推進されてきました。
水難事故防止については、
ライフジャケットの着用が前進してきたことを、
実感しています。
あのとき、
ライフジャケットを着ていれば、
慎之介は高校生になっていたかもしれません。
守れた命がある、防げた死であるということを
深く心に刻み、
事故の再発防止と未然防止の理解が、
社会全体に広がることを、
心から願います。
2022年(令和4年)7月20日
吉川優子