判決_ひとつの節目

平成28年5月30日
刑事裁判の判決が出ました。

近藤恵津子被告 有罪 罰金50万円
越智亜里被告、村上玲子被告 無罪

安全対策を怠った事実について、全ての「責任」は
園を統括する園長にあるという判決でした。
刑事責任は、あくまでも個人の責任追及ですが
判決の内容は、組織としての責任や問題が問われたのだと
そのように理解しています。

安全の事など習っていない、誰も教えてくれなかった、
常識では考えられない急激な増水だった、予見などできない
準備していても事故は防げなかった、
ライフジャケットの装着は一般的でない等々・・・・
被告らの主張は全て却下されました。

裁判長は、被告の本人尋問で、
3人の被告に、それぞれ、どういった責任や権限があるのか
という事を質問し確認していました。
判決では、
幼稚園教諭は、
園児の生命・身体の安全を守る職務を行う者という事、
一人一人の安全意識の低さと
杜撰な組織・管理体制が事故を引き起こし、
慎之介の命が失われたという事実、
そして、責任の所在が明確に示されました。

越智被告に関しては、現在休職中ですが
安全など習っていないと主張していたのだから
もしも、万が一、復職するのなら、
子どもの安全について学び直してほしいと思います。
遺族としては、現状のまま復職などしていただきたくありません。

村上被告も、越智被告も、
無罪でよかったという内容の判決では無い、
という事を十分理解していただきたいです。
不起訴になった他の方々も同様です。

最後に、
判決とは別に、裁判長が近藤被告に対し
反省している事など、園長として周囲に伝える努力が必要だというような
指摘をされました。
誠実に対応していない現状を理解してくれたのだと感じました。
被告らは、保護者への説明は十分したなどと述べていましたが、
このような事を裁判長に言われてしまうような
状況、行動、対応についても、改めて、考えてほしいです。

判決をどのように受け止め、この教訓をどのように活かすのか、
本来ならば、まずは、
被告たちと引率した当時の教諭ら、
組織体制が杜撰だったことが明確となった西条聖マリア幼稚園、
学校法人ロザリオ学園が、向きあい考えるべきことだと思います。
「川が悪い」「不幸な事故」ではないのです。

裁判で、園長が有罪になって終わりではなく
司法が示した結果と
裁判で明らかとなった事実を活かすという事は
大きな課題の一つで、
社会が問われている事だと思っています。