裁判で行われた尋問や捜査資料などから
多くの事実がわかりました。
慎之介が発見された時の状況や
遺体の状態などは、警察の実況見分や検視データから
理解することができました。
川の状態や、当日の天候、
子ども達が深いところでも、バラバラに遊ばされている様子
先生たちが、監督できていない状況が観光客の方のスナップ写真や
幼稚園が撮影していた写真、証人の方と本人尋問からもよくわかりました。
遺族としては、当日、何が起きたのか、事実を知るという事は
とても大切で重要な事です。
どのように流されたのか、という点は、越智被告の尋問を
後日纏めたいと思っていますが、事故の全体像は明確になりました。
本人尋問では
事故当時の安易で漫然とした行事進行の様子や、安全意識の欠落など
「安全の事は考えもしなかった」などという、被告らの正直な発言から
よく理解することができました。
そして、
近藤恵津子被告の尋問で告白した
過去の重大事故については驚きました。
検察官が、
マリア幼稚園で過去に発生した重大事故について質問した際に
20年ほど前、近藤恵津子被告が担任を務めていた頃に
起こしていた死亡事故について告白しました。
それはバスの事故。
実は、園児が死亡した重大なバスの事故だったと、当時を知る方から
保護者に情報提供がありました。
でも、もう、確認することができない事故内容だったので
事実確認ができていなかったのですが、近藤恵津子被告本人が、
法廷で告白をしたことで、事実だったことが分かりました。
もう一つ、うんていからの落下事故についても、初めて聞く話しでした。
近藤恵津子被告の心に、ずっと、罪の意識が残っていたから
一番に出てきたのではないかと感じています。
ブランコからの転落、鼓膜損傷に関しては、訴訟問題に発展していました。
その他にも、骨折や歯の損傷等々、事故が多発し続けた中、
今回の溺死傷事件が発生したのです。
偶然起きた事故などではありません。
すべて起こるべくして起きた事故です。
事故が発生しても、水面下で対応し無かった事にし続け
今回も、ロザリオ学園が対応してくれることになっているなどと
呑気な発言をしていた近藤恵津子被告ですが、
しかし、これまでがそうだったように、今回も、確かにそうなのでしょう。
大阪から弁護士の先生たちを6人も揃え、徹底的に争う姿勢を見せ
無罪を主張し続けることなど、被告ら個人の判断では出来ない事だと思います。
法人として、園長の資質を問うことなく、指導も教育もせずに
全てを無かった事にしてきた対応は、罪深いとしか言いようがありません。
そして、なぜ、近藤恵津子被告のような園長に不向きな人が
園長という責任の重い職務を続投できたのでしょうか。
今回の事件は、無かった事になど出来ませんが
それでも、やはり責任はないと言う独自のスタンスを守りとおすのなら、
これまでと何ら変わることはないと思います。
ほとぼりが冷め、風化して、忘れられた頃に、
犠牲になるのは子ども達です。
その事は、今回の事件が証明しています。
慎之介だけではなく、多くの子ども達が傷ついていたこと、
傷ついたことを、重く受け止めてほしいのです。
同じ幼稚園で、園児の死亡事故が2度も起きている、
訴訟に発展している事故も2件ある状態は異常です。
事実と現実と、真摯に向き合っていただきたいです。
安全管理に関し、組織体制をたて直す機会は
何度もあったにもかかわらず、見直してこなかった
しかしそれが、許される状態にあります。
制度や指針、法整備などが必要だと思います。