2012年7月、西条市中奥の増水した加茂川で、
西条聖マリア幼稚園(同市大町)のお泊り保育中に
吉川慎之介ちゃん(5)が流され死亡し、園児2人がけがをした事故で、
松山地検は28日、
安全面の事前準備を怠ったなどとして、
業務上過失致死傷罪で当時の園長や教諭ら3人を在宅起訴、
園を運営する当時の男性理事長(67)や引率教諭ら6人を不起訴処分とした。
在宅起訴されたのは、
西条市丹原町丹原無職 近藤恵津子元園長(73)
新居浜市無職 村上玲子元主任教諭(45)
西条市、お泊り保育立案者で越智亜里教諭(44)
西条署は13年8月、同容疑で9人を書類送検していた。
地検は、在宅起訴した3人は、増水の与件などが可能で、
特に注意義務を怠ったと説明。
3人の認否や不起訴の内容などは明らかにしていない。
起訴状などによると、3人は、
・お泊り保育数日前から当日までの上流域を含めた降水量の確認
・実地調査
・遊泳能力が未熟な園児の避難方法を検討し、
用具の準備や人員を配置して増水などが発生した場合には速やかに退避させる
など業務上の注意義務を怠って遊泳を実施。
水の濁りなど増水の予兆を認識せず、遊泳を続けさせ、
最短経路で避難させないなどの過失を重ね、3人を死傷させたとされる。
同園は
「検察の判断を真摯に受け止める。改めて冥福を祈り、園児の安全対策を進めたい」とし
慎之介ちゃんの遺族は
「今後は被害者参加制度を利用し、事故原因を追究したい」
とコメントを出した。