水難事故で元園長ら無罪主張 12月24日
3年前、西条市の川で、幼稚園の行事で水遊びをしていた当時5歳の男の子が増水した川に流され死亡した事故で、十分な安全対策を講じていなかったなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われている幼稚園の元園長ら3人の初公判が開かれ、元園長らは「川の増水を予想することはできなかった」などと述べ無罪を主張しました。
平成24年7月、西条市の加茂川で、幼稚園の行事で教諭らの付き添いのもと水遊びをしていた園児らが、増水した川に流され、このうち、吉川慎之介くん(当時5歳)が死亡2人がけがをしました。
幼稚園の元園長の近藤惠津子被告(74)と元教諭らあわせて3人が、川が増水する可能性があることを予見できたにもかかわらず、遊泳を中止せず、必要な安全対策を怠ったなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われています。
24日、松山地方裁判所で開かれた初公判で元園長らは、「川が突然増水することは予想できなかった」などと述べ無罪を主張しました。
検察は冒頭陳述で、「急に川が増水しうることは事前の情報収集で予見できた。浮き輪や救命胴衣など救助のための道具も一切用意していなかった」と指摘しました。
これに対し弁護側は、「急激な増水や突然の濁流は自然災害で予見することは不可能だった。事故当時、天候は晴れていて増水のきっかけすら感じることはできなかった」などと主張しました。
裁判のあと、吉川慎之介くん(当時5歳)の両親の吉川豊さんと優子さんは報道陣の取材に「事故から3年が経つが、あのとき何が起きたのか知りたいという私たちの気持ちは当時と何も変わっていない。裁判を通して、なぜ事故が起きたのか、慎之介がなぜ死ななければならなかったのか元園長らにはきちんと向き合ってほしい」と話していました。
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