平成28年3月22日
文部科学省は「学校事故対応に関する調査研究」有識者会議の中で、
事故後対応と事故調査に関するガイドラインを纏めました。
これまで、多くの遺族や被害者家族が切望してきた事が、大きく前進しました。
課題は残されていますが、この一歩が、次の一歩へと繋がることを願います。
日本でも、子ども達の異状死について全てが平等に初動調査の対象となる、
チャイルド・デス・レビューの制度化を望みます。
事故調査、特に初動に関しては、捜査機関との連携は必須だと思います。
今回の刑事裁判で、被害者参加制度を利用できたことで
閲覧可能となった捜査資料(実況見分や検死データ等客観証拠)からも、
即座に現場へ向かい調査ができるのは、
捜査機関の捜査能力・技術と権限があってこそだと実感していますし、
事実認定の難しさも感じております。
法的責任問題含め、調査権限や調査の在り方について、
今後、さらに、現実的な議論が進むことを望みます。
平成28年3月23日付け朝日新聞(社会面)より
朝日新聞デジタル:学校での子どもの死亡事故、調査委設置ルール化案を了承 文科省有識者会議
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学校の授業や登下校中に子供が亡くなる事故について話し合ってきた
文部科学省の有識者会議は22日、
学校や自治体の対応を定めた指針案をまとめ、了承した。
遺族の要望を受けて第三者調査委員会を立ち上げることを初めてルール化。
遺族は前進を歓迎しつつ、課題を指摘する。
文科省は3月中にも、
指針を都道府県などログイン前の続きを通じて全国の国公私立学校に通知する。
有識者会議委員の酒井智恵さん(55)は、大阪教育大付属池田小の殺傷事件で長女を亡くした。
「必ずしなくてはならないものになるよう現場に周知してほしい」と話した。
■遺族「客観的事実知りたい」
「遺族が一番知りたいのは、何があったのかという客観的な事実」
東京都品川区の吉川優子さん(44)は、
2012年7月に長男慎之介君(当時5)を幼稚園の川遊び中に亡くした。
幼稚園側に尋ねても、「何も話せないの一点張りだった」という。
業務上過失致死傷罪に問われた元園長らの裁判で事実が判明するのを待ち続け、3年以上になる。
調査委員会の設置が指針でルール化されたことを、吉川さんは「前進」と評価する。
一方で、「詳しい状況を知るために、捜査機関との連携を盛り込むべきだ」と指摘した。
12年に小学1年生だった長女浅田羽菜(はな)さん(当時6)を、
通っていた京都市立小学校でのプール事故で亡くした母親(55)は、
調査委員会が中立、公平性を確保できるか疑問だという。
調査対象となる学校や学校設置者などが立ち上げるからだ。
「遺族が置き去りにされないようにしてほしい」と強く求めている。
東日本大震災の津波で74人の児童が犠牲になった宮城県石巻市立大川小。
この惨事が指針策定のきっかけの一つとなった。
次女を亡くした佐藤敏郎さん(52)は
「指針を出して終わりではない。実効性があるのか各項目ごとに点検し、
現場で活用できるような内容にしてほしい」と話した。
■指針の主なポイント
【発生後の調査】
・死亡などでは3日以内に全教職員から聞き取り
・1週間以内に保護者に最初の説明
・保護者の要望がある場合、教育委員会などが調査委員会を立ち上げ
【再発防止】
・国は事故情報の報告を受けて蓄積、周知
【保護者への支援】
・遺族と学校をつなぐ「コーディネーター」を派遣
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