平成25年8月3日 : 共同通信園児溺死、9人書類送検
業過致死傷容疑、愛媛
        教員「増水気付いた」

愛媛県西条市で昨年7月、「西条聖マリア幼稚園」のお泊まり保育に参加した園児3人が川遊び中に流され、吉川慎之介(よしかわ・しんのすけ)ちゃん=当時(5)=が溺死した事故で、西条署は2日、業務上過失致死傷の疑いで、幼稚園を運営する学校法人の前理事長の男性(67)と、園児を引率した教員8人の計9人を書類送検した。

西条署によると、学校法人は松山市にある「ロザリオ学園」。教員らは調べに「事故前、川が濁って水量が増すなど変化に気付いていた」と説明しているほか、前理事長は「対策を指導しなかった」と安全管理の不備を認めている。

書類送検容疑は昨年7月20日午後3時40分ごろ、西条市の加茂川で、浮輪の準備など水難事故の防止策を怠り、増水した川に流された慎之介ちゃんを死亡させ、別の園児2人=いずれも(6)=の頭や腕に軽いけがをさせた疑い。
現場では当時、川の上流で降った雨の影響などで約20~30センチの水位が2分ほどで約1メートルまで上昇したとされる。同園は、学校保健安全法で義務化されていた安全計画を策定していなかった

遺族は今年3月、業務上過失致死容疑で9人を告訴。7月19日には、前理事長ら9人とロザリオ学園に対し、危険回避義務を怠ったなどとして、計約1億5千万円の損害賠償を求め、松山地裁西条支部に提訴している。

東京新聞2013年8月3日朝刊記事を見る

記録『愛媛県警察西条警察署は、学校法人ロザリオ学園西条聖マリア幼稚園の前理事長とお泊り保育の引率職員ら8名を、業務上過失致死傷の容疑で書類送検しました』ページへ