平成29年8月14日水難事故予防に関する番組が放送されました。

平成29年8月14日
NHK おはよう日本で水難事故予防に関する番組が放送されました。
事故は予防できる、防ぐものという理解が広がることを願います。

川の浅瀬での子どもの事故 ”転ぶと水の力5倍”(NHKニュース 公式サイト)

 
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子どもが川などで流されて死亡する事故について、国の研究機関が行った検証実験の結果、川の浅瀬で滑り転んだ瞬間、立っている時の5倍近い水流の力がかかり、体重の軽い子どもは流されてしまうおそれが高まることがわかりました。
検証実験を行ったのは国の研究機関「産業技術総合研究所」で子どもの事故防止の研究に取り組む、西田佳史首席研究員のグループです。

グループは、6歳の子どもを想定した身長114センチ、体重23.4キロの人形を使い、川に見立てたプールで水深を10センチから20センチの浅瀬に設定して、人形が立っている場合と滑ったり転んだりして座り込んだ状態になった場合に分けて、水から受ける力がどのように変化するか調べました。

その結果、子どもにとっては比較的速い流れと言える秒速1.5メートルの場合、浅瀬で立った状態の時には、人形が流されるほどの力は受けなかったものの、座り込んだ状態になると、流れる水から受ける力が立った状態の4.8倍となり、人形が流されるレベルに達することがわかりました。

西田首席研究員はコケや藻などで滑ったり、岩などに足を取られたりしやすい川の浅瀬では、転んで座ったような状態になると子どもは、一気に流されてしまうおそれが高まると指摘しています。

西田首席研究員は「浅瀬も体重の軽い子どもにとっては危険で、ライフジャケットを着用するなど対策を取ってほしい」と話しています。
全国での子どもの水の事故
川の浅瀬など水辺で子どもが水遊びをしていて溺れて死亡する事故は全国で相次いでいます。

警察庁のまとめによりますと、去年までの3年間に川や海での水難事故で亡くなったり、行方がわからなくなったりした14歳以下の子どもの数は、全国で139人に上ります。

このうち、場所別では「河川」が最も多く、72人と半数を超えています。次いで、「海」が31人、「湖沼池」が19人などとなっています。さらに「河川」での事故のうち、およそ6割に当たる42人は、水泳中ではなく、浅瀬など水辺で子どもが水遊びをしていて事故が起きています。

愛媛県西条市では、5年前、5歳の男の子が幼稚園の行事で川に行き、水遊びをしていたところ水が増えて流され死亡しました。去年7月には、三重県松阪市で川に入って遊んでいた7歳の女の子が溺れて死亡したほか、去年8月には、徳島県海陽町で川遊びをしていた8歳の男の子が死亡するなど、河川での水遊び中の事故が相次いでいます。

こうした事故が多い背景について、警察庁は川は浅瀬だとしても流れが速い場所があるほか、突然、深みに入ってしまったり、藻やコケなどが生えているため、滑って転んだりすることが大きな事故につながる原因になるとしています。
一人息子を亡くした夫婦の訴え
東京都内に住む吉川優子さんと夫の豊さんは、5年前、5歳の一人息子、慎之介くんを水の事故で亡くしました。

慎之介くんは幼稚園の行事で愛媛県西条市の川に行き、水遊びに参加していたところ、増水した川に流されました。当時、子どもたちはライフジャケットを身につけていませんでした。

事故をきっかけに子どもの安全を守る団体を立ち上げた吉川さん夫婦は、子ども用のライフジャケット着用の大切さを訴えています。

西条市は吉川さん夫婦の提案を受け、今年度、子ども用のライフジャケット40着を新たに購入し、市内の子どもたちが学校行事で水辺で活動する際には着用を新たに義務づけました。また先月、優子さんらのグループは西条市の音楽イベント会場の一角に特別にブースを設け、親子連れなどに実際にライフジャケットを試着してもらいながら、水遊びをするときには必ず着用してほしいと呼びかけていました。

吉川さん夫婦の訴えは全国にも広がりを見せ、先月、長崎県大村市で開かれた保育園や幼稚園の職員が子どもの安全を学ぶ講座では、吉川さんの事故が重い教訓として取り上げられました。

吉川優子さんは「事故はどこでも誰にでも起きるが予防することができる。ライフジャケットを事前に用意するなど多くの人にきちんと予防策を取り入れてほしい」と話していました。

吉川さん夫婦は、今後、全国の自治体やほかのNPOとも連携しながら、子どもの命を水の事故から守る社会の実現を目指していきたいと話しています。

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