平成30年12月19日(水)14:00
愛媛県松山地方裁判所 西条支部にて言い渡されました。
刑事裁判の判決と同様に、
増水の予見とライフジャケットの着用義務の過失責任が認定され
刑事裁判で有罪判決を受けた元園長近藤恵津子被告と
組織の責任母体である学校法人ロザリオ学園に対し
この事故に対する責任があるという判決でした。
法人には使用者責任が認定されました。
司法の判断を真摯に重く受け止めております。
元園長と学校法人に絞られた判決となり、
子どもたちに対する過失責任や、他にも主張してきた安全対策や対処に関しては
法的責任が認められなかったことについては残念に思います。
しかし、保育・学校・教育施設管理下で実施する水辺の活動の安全は
確保しなければならないという意義ある判決だと思います。
事故から6年、提訴から5年5か月。
裁判という対立構造の中で、事故の事実と向き合うことは
とても辛く苦しい作業でした。
2016年5月には、刑事裁判で元園長が有罪判決を言い渡され、
その後も、民事裁判では争いが続きました。
裁判の意義を何度も自問自答しながらも、
多くの方々に支えていただき、事実と向き合うことできました。
ライフジャケットを準備し装着しよう。
川や海などでは天候や地形などを確認し、
安全対策のために必要な知識や情報を習得しよう。
特別なことではなく、当たり前のことです。
事故直後から、誰もが活かすことができる教訓のはずです。
裁判で事実を解明し責任の所在を明確にすることと、
再発防止のための事故検証・調査は、
どちらも非常に重要なことであり、
真摯に向き合い対応しなければならないことだと理解しています。
子どもの命を守り育むために、「二度と繰り返さない」を実現するために、
うちは大丈夫、事故は仕方ない、かわいそうな出来事なのだから等々・・・
こうした大人の意識が変わること、
社会全体で予防の仕組みをつくること、
必要な制度、法整備へとつながっていくことを願います。
そして、
西条市聖マリア幼稚園、学校法人ロザリオ学園
当時の引率教諭と元園長には、
当事者として、保育者としての自覚と責任を持っていただきたいです。
事実は変わらず、裁判は解決でもなく終わりでもありません。
新たな始まりなのです。
裁判判決後、報告記者会見を開きました。
ご参席くださいました各報道機関の皆様、
保護者の皆様、支援してくださった皆様、
事故の教訓が生かすという思いを
皆様と共有させていただけたことに
心から感謝しております。
本当にありがとうございました。