子供の不慮の事故三大要因に溺死・溺水

厚生労働省が毎年公表している人口動態統計によると、1歳~14歳における「不慮の事故死」で交通事故の次に「溺死・溺水」が多いことがわかりました。
お風呂やプールでの事故が多発している中「子供は溺れる」という大人の意識の低さが伺えるように感じます。
六月に入ると、学校や幼稚園・保育園でプールが始まります。
そして残念ながら、毎年必ず事故が起きていて、幼稚園や保育園の事故で多く見られる先生方の発言では「目を離していた」が目立ちます。
適切な人員確保と配置、救命救助の訓練、安全危機管理マニュアル、事故が起きてしまった時の保護者への連絡方法・対応などがきちんと整備されているのか、子供を失ったことで「当たり前である」と信じていたことに疑問と不安を抱いています。
特に幼児の場合、水遊びの方法をよく考えることから初めて頂きたいと強く願います。
幼稚園などであれば、ホースを使い園庭で水撒き遊びをしたり、タープやテントなどを張り、バケツやビニールプールなどを置いて宝探しを楽しませるetc・・・アイデアはいくらでもあるはずです。
もし、人員が足りないのなら、保護者に相談し参加してもらうことも可能な場合もあるはずですし、条件がそろわない場合は水遊びを行わない、という選択肢もあるのです。。
慣例として漫然と行うのではなく毎年リスクを見直し計画を起て実行することが課題です。
大人の不注意、認識不足から子供の命が奪われていることを、幼稚園や保育園、教育現場、保護者も同様にしっかりと理解し意識することで「不慮の事故」から「子供達の命を守る」ということに繋がっていくはずです。

<参考資料>

「こどもたちに多い事故とその予防、応急処置について」
京都第二赤十字病院小児科 長村敏生 先生

資料提供元:
日本小児救急医学会「こどもたちに多い事故とその予防、応急処置について」
京都第二赤十字病院小児科 長村敏生 先生 ページへ

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