平成26年11月12日ロザリオ学園と西条聖マリア幼稚園、当時の引率教諭らの調査協力依頼への対応について

慎ちゃん委員会は、事件と真摯に向き合い、誠実に調査・検証を行っています。
ロザリオ学園と西条聖マリア幼稚園、引率教諭8名から「民事・刑事係争中の為、協力できない」という返信を受け、慎ちゃん委員会が声明文を発表しました。

11月12日、ロザリオ学園と西条聖マリア幼稚園、当時の引率教諭らの調査協力依頼への対応について

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
H26年11月12日 共同通信

園児溺死で面談調査拒否
「幼稚園側、係争中理由に」

 愛媛県西条市で2012年7月、私立西条聖マリア幼稚園のお泊まり保育中に
吉川慎之介(よしかわ・しんのすけ)ちゃん=当時(5)=が川に流されて死亡
した事故で、遺族らがつくった有識者による事故調査委員会が面談調査を要請し
たが、幼稚園側が拒否していたことが12日、調査委関係者への取材で分かった。
民事、刑事双方で裁判が係争中であるためとしている。
 関係者によると、調査委は10月、事故原因を特定するため、引率教員や当時
の園長、幼稚園を運営するロザリオ学園(松山市)関係者への面談調査に応じる
よう要請した。
 しかし11月にロザリオ学園の代理人の弁護士が「原因などは裁判の争点とな
るため、応じることはできない」と通知した。教員らに直接接触することも控え
るよう要請した。
 調査委は京都精華大の住友剛(すみとも・つよし)委員長(教育学)ら学識者
や弁護士の3人で構成されており「原因の特定は再発防止にも必要不可欠なのに、
問題を法的論点のみで考えており、非常に残念」とする声明を出す方針。

平成26年9月17日朝日新聞 『子を失う悲しみ、二度と 「事故から命守る」遺族ら活動』


慎之介君の写真に語りかける母親の優子さん=東京都小金井市の自宅


幼稚園の行事中の事故で亡くなった吉川慎之介君=吉川優子さん提供

 
事件や事故、災害から子どもを守ろうと、我が子を亡くした親たちが再発防止に取り組んでいる。悲劇が繰り返される現状を変えたいという。多くの小さな命も犠牲となった東日本大震災から3年半。文部科学省の審議会も16日、命を守る教育を強化する方針を示した。
 

再発防止へ検証 「学会」立ち上げ議論

学校での事故などで子どもを亡くした親や専門家らでつくる「子ども安全学会」の初めての大会が7日、東京都内であった。再発防止策を考えようと中心になって立ち上げたのは東京都小金井市の吉川豊さん(44)、優子さん(43)夫婦。2年前に長男慎之介君(当時5)を水の事故で亡くした。7日は慎之介君の誕生日、小学2年生になっているはずだった。

「出張に行ってきます」。2012年7月、父親の口ぶりをまねた慎之介君は、通っていた私立幼稚園の約30人の園児らと初めての「お泊まり保育」に出かけた。
ひょうきんで元気な男の子。ピアノを習い始めたばかりだった。
川遊び中に水かさが増し、慎之介君はほかの園児らと一緒に流された。
約150メートル下流で見つかったが、助からなかった。園側は子どもに浮輪やライフジャケットを着けさせていなかった。

「現場の危機管理意識が薄い中で問題が深刻化している」。吉川さん夫婦の憤りは消えない。だが一方で、「慎之介のような事故を繰り返さず、予防につなげたい」と願う。

昨年6月に「学校安全管理と再発防止を考える会」を立ち上げ、専門家を呼んで勉強会を始めたのが学会の前身。同じように悲しい思いをした遺族らと知り合い、再発防止を考えるようになったという。

「遺族がここまでしないとならないのかという思いはあったが、事故が社会に生かされることで私自身も助けられた」。愛知県碧南市の栗並(くりなみ)えみさん(35)は、10年に、1歳だった長男寛也ちゃんを亡くした。保育所で食べていたカステラを、のどに詰まらせた。

事故のとき、保育所は「保育士が横にいた」という報告書をまとめた。だが、栗並さんが原因究明のため何度も保育所に足を運ぶと、実際は近くにいなかったことを認めたという。その後、国や県に検証の重要性を繰り返し訴えた。
その結果、保育施設での事故防止策を考える政府の有識者会議が発足し、今月9日に初会合があった。「事故後にまともな調査がされていない。検証し、再発防止につなげるべきだ」と栗並さんは訴えた。
 

安全教育強化へ 悲劇、あとを絶たず

あとをたたない子どもの死亡事故をなくそうと、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会は16日、子どもが事件や事故、災害から身を守るための教育を強化する方針を示した。
日常生活に潜む様々な危険を予測することで、安全に行動できるようにしたいという。例えば保健体育ではどんな状況だと交通事故に遭い、犯罪に巻き込まれやすいかを考えさせ、社会科では地域の特性に応じた防災対策を教える。
こうした現行の安全教育を強化して体系化し、2020年度までに順次導入する新学習指導要領に反映する考えだ。

日本スポーツ振興センターによると、保育園や幼稚園、小中高校での死亡事故で災害共済給付金が支払われたのは、05年度が82件。その後も70件前後が続く。

東日本大震災で宮城県石巻市で多くの子どもが亡くなった大川小の惨事などを機に、子どもの命を守る教育に注目が集まったが、12年度も48件あった。プールでの水死といった同じような事例が繰り返されているのが特徴だ。

文科省は事件や事故が起きた際の学校の対応についても指針を作成する方針で、5月に有識者会議を立ち上げて議論している。01年の大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)での殺傷事件の遺族も参加し、学校がどのような事後対応をしてきたか調査している。(芳垣文子、高浜行人)
 

国民全体が関心を

<大川小の検証委員会で委員長を務めた室崎益輝・神戸大名誉教授の話>
子どもを亡くした親は強い悲しみのため、表だった活動にまで踏み出せないケースも多い。その中で、教員や保育士を批判するだけでなく、子どもの環境や学校が良くなるよう働きかけることは正しい方向で、喜ばしい。東日本大震災であれだけの悲劇があり、遺族の意識の高まりにつながっている可能性もある。ただ、こうした取り組みが遺族だけにとどまってはならない。国民全体が関心をもち、再発防止に向けて知恵を出し合うことが重要だ。
 

掲載元:朝日新聞デジタル

関連資料:2014年9月17日 朝日新聞

「防げた事故、守れた命…」 園児が川遊びで死亡 岩手県と愛媛県の事例検証内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授

慎之介が加茂川で溺死したのは2年前です。

この間、繰り返されないように、その思いを持って事件と向き合い声をあげ続けていますが情報が全く共有されない、活かされない現実を、再び、突き付けられました。

防げた事故、守れた命です。

[愛媛県で起きた吉川慎之介さんの水難事故遺族,吉川豊さん・吉川優子さんの言葉]

2年前の事故遺族が再発防止を訴えたその次の日に・・・

9月7日の日曜日、都内で「子ども安全学会」の設立集会が開催された。2012年7月に愛媛県西条市で、当時5歳の子どもを幼稚園の川遊び中の事故で亡くした遺族が、関係者とともに立ち上げた学会である。水難事故を含め、教育現場では判で押したように類似の事故が起き続けている。それらの「事故を二度と起こしてほしくない」という思いが遺族の根底にある。

その設立集会の翌晩、関係者たちはインターネットのニュースをみて、目を疑った。まるで同じ事故が、岩手県で起きたというのだ。

岩手県花巻市の事例

手作りいかだ転覆、5歳園児流され死亡 岩手・花巻
(2014年9月8日22時31分)

8日午前11時5分ごろ、岩手県花巻市上根子の豊沢川にかかる上根子橋付近で「5歳の保育園児が流された」と保育士から119番通報があった。約40分後、約50メートル下流で沈んでいる高橋尚誠(なおまさ)君(5)=花巻市狼沢=を消防隊員が見つけたが、間もなく死亡が確認された。

花巻署によると、園児24人と保育士ら5人が、タイヤと板を組み合わせた手作りいかだで川下りをしていた。それぞれ園児8人と保育士1人が乗った三つのいかだが次々に転覆。多くの園児が自力で立ち上がって無事だったが、高橋君の行方が分からなくなったという。川は深い場所で60センチほどで、全員が救命胴衣を着けていなかった。

 
事故の第一報と続報を総合すると、事実レベルでおおよそ次のことが見えてくる。

1) 川遊び中の事故。

2) 大人5人に園児24人。いかだは3つあり、1つにつき、大人1人と園児8人が乗る。(大人2人は岸に残る。)

3) いかだが転覆し、園児が投げ出され、1人が50メートルほど下流で見つかる(死亡)。

4) 救命胴衣等の準備なし。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

愛媛県西条市の事例

事故は繰り返された。いまから2年前の2012年7月に愛媛県西条市で起きた吉川慎之介さんの死亡事故記事を、ここに掲載しよう。

両親 引率教員ら告訴へ―安全対策を問題視

西条署などによると、事故は12年7月20日午後3時半ごろ、お泊り保育の一環で、園児31人と引率教員8人が川遊びをしていた際、増水した川に慎之介ちゃんら園児3人が流された。慎之介ちゃんは約150メートル下流で沈んでいるのが見つかり、病院に運ばれたが死亡が確認された。両親らが事故時に現場にいた園児や引率教員らから聞き取りをした結果、流されたのは園児4人と教員1人で、園側は浮輪やライフジャケット、ロープなど安全確保や救命に必要な用具を準備せず、急な増水など川の危険に対する認識も不足していたと判明。

『愛媛新聞』2013年3月14日朝刊

 
上の記事と他の情報(遺族作成のウェブサイト)を合わせると、事故状況は次のように整理できる。

1) 川遊び中の事故。

2) 大人8人に園児31人。大人1人を除いて、全員が川や中州付近で遊ぶ。

3) 川の増水により避難を始めるも、複数の大人と園児が流され、うち1人が150メートルほど下流で見つかる(死亡)。

4) 救命胴衣等の準備なし。

事故は繰り返された

岩手県と愛媛県の園児の死亡事案。2つの事故のもっとも重要な共通点(過失)は,次のとおりである。すなわち,自然体験とくに河川での活動というリスクが高い状況に対して,園側がそれ相応の危機意識をもっていなかったという点である。

私たちがよく知るように、人工的に設計されたプールに比べて、自然の河川にはより多くの危険(急な深みや増水など)が潜んでいる。そこに「川遊び」「水遊び」と称して,屋内における教員と園児の人数比のまま、皆で足を踏み入れる。「遊び」とはいうものの,屋内の遊びよりは,はるかにリスクが高いはずである。それに見合った大人(監視役、付き添い役)の数が必要である。

屋内遊びの状況(大人対園児の比)が、そのまま河川という危険な場所で再現される。いかにも危険な場所で,まさにそのような事態が訪れた場合、はたしてどうやって無力な子どもたちを守るというのか。岩手県の事例でいえば、大人1人につき園児8人、愛媛県では大人1人につき園児4.4人(園児31人÷教員7人)、大人たちはすべての園児の安全を確保することができず、不幸にも1人の園児が大人の目と手を離れて流され溺れていったのである。

私たち大人あるいは教育者は、自然体験を礼賛することはあっても、自然体験に脅威を抱くことはあまりない。それゆえ、屋内の感覚のまま、屋外のリスクが高い環境下へと足を運んでしまう。2つの事例いずれにおいても救命胴衣等の着用の有無以前に、その準備さえなかったというのは、園側はじめから河川のリスクを想定していなかったということであろう(そこまでしてリスクの高い状況での「遊び」が必要なのか、別途議論が必要である)。
「情報が全く共有されない、活かされない現実」

冒頭の言葉は,岩手県の死亡事故情報を受けて,愛媛県の事故遺族である吉川豊さん,優子さんが発したメッセージである。今回の死亡事故の最大の問題点は,吉川さんの言葉を借りるならば,過去に起きた事故の「情報が全く共有されない、活かされない現実」である。吉川慎之介さんの事案から私たちが学んだはずの教訓――リスクの高い自然環境下に出かけて,屋内と変わらない姿勢や意識で,突発的な事態に対応しうるのか――は,岩手の保育園にまで届くことはなかった。

次の事故を防ぐには,事実究明の徹底に加えて,究明結果の核心部分が全国の保育園や幼稚園に伝えられる必要がある。子どもの命にかかわることである。疎かにはできない。

掲載元:Yahoo!ニュース

岩手県の対応

>この事故を受け、県はきょう、プールと水遊びに関し、安全管理の徹底を呼びかける文書を、県内全ての幼稚園と保育園に通知しました。

>この事故を受けて、県の県南広域振興局は9月中にも保育園に対して特別監査を実施し、川下りの際の安全対策が適切に行われていたかなどについて、調べることにしています。

愛媛県、西条市も、事故検証は行うことが出来るはずです。
私立幼稚園に対し、調査、指導する権限はないとしていましたが私学の自主性を重んじる事が、一人の命より大切なのでしょうか。

岩手県内全ての・・・と記事にありますが、全国で共有されるべきことです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
保育園「方策不十分だった」 花巻の5歳児水難


記者会見で謝罪する瀬川とも子園長(右)と瀬川滋理事長=花巻市の花巻太陽の子保育園

花巻市の豊沢川で川遊びをしていた保育園児高橋尚誠君(5)が流され亡くなった事故で10日、花巻太陽の子保育園が記者会見を開いた。事故の経緯を説明し、「子どもの命を守ることが最優先の保育園で、方策が不十分であることを悔いています」と改めて謝罪した。

「弁解の余地はありません」。瀬川とも子園長(65)と瀬川滋理事長(65)が説明に応じた。
園などによると、8日昼、年長の園児24人と園長、保育士ら5人が、タイヤチューブと板を組み合わせた手作りいかだで川下りをしていた。

三つのいかだにそれぞれ園児8人が乗って職員1人がついていたが、三つとも次々に転覆し、園児全員が川に投げ出された。高橋君は泳げず、先頭のいかだで園長の後ろに座っていた。園は救命胴衣を用意しておらず、代わりにビート板を2枚ずつ、いかだにつないでいたという。

7月にも別の園児たちが豊沢川で、同じ材料のいかだを浮かべて遊んでおり、今回は川の流れがあるコースを選んだ。事前に保育士が下見をしたが、「実際に流れてみるという体験はしなかった」という。前日に保護者に川遊びの説明をしたが、救命胴衣をつけるよう求める声は上がっていなかった。

一方、事故を受け、県は10日、県内364カ所の保育所と121カ所の認可外保育施設に、事故防止の徹底を求める通知を市町村を通じて出した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
NHK盛岡放送局
園児死亡事故 保育園が謝罪

8日、花巻市で保育園が行っていた川下り中にいかだが転覆し、5歳の園児が死亡した事故を受けて10日、保育園側が会見を開き、「安全管理の見通しの甘さが引き起こした事故だった」と述べて安全対策が不十分だったことを認め、謝罪しました。
この事故は8日、花巻市の豊沢川で市内の花巻太陽の子保育園が行っていた川下り中にいかだが転覆して、乗っていた園児全員が投げ出され5歳の男の子が死亡したものです。
保育園側が10日、会見を開き、当時の状況や安全管理などについて説明しました。
それによりますと8日は5歳児の年長クラスの園児が8人ずつ3台のいかだにわかれて乗り、3人の職員がいかだをロープで引っ張るなどしながら川下りをしていたところ、流れが急な場所で相次いでバランスを崩し転覆したとしています。
救命胴衣は1着もなく、いかだには万が一に備えて用意した水泳用のビート板があわせて6枚しかなかったということです。
また、同じ豊沢川でことし7月に4歳児がいかだで水遊びをした際には特に問題はなかったことから、年長クラスでの川下りを計画したということです。
会見した瀬川とも子園長は、「危険はないか流れのある場所で試す必要があった。
安全管理への見通しの甘さが引き起こした事故だった」と述べ安全対策が不十分だったことを認め、謝罪しました。この事故を受けて、県の県南広域振興局は9月中にも保育園に対して特別監査を実施し、川下りの際の安全対策が適切に行われていたかなどについて、調べることにしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
岩手放送

おととい、花巻市の豊沢川で、手作りのいかだが転覆し、5歳の男の子が亡くなった事故を受け、きょう保育園で、記者会見が開かれました。保育園の理事長と園長は、「安全管理が甘かった」と、謝罪しました。
事故を受けて開かれた会見で瀬川とも子園長は、手作りいかだを使った川下りを行ったのは、今回が初めてである事や、救命胴衣を用意しなかった事などを説明しました。おとといの川下りの安全対策として、ビート板2枚が、イカダにロープで繋がれていた事も明らかになりました。この事故は、おととい花巻市の豊沢川で、保育園の園外活動で、手作りいかだ3枚が転覆し、花巻市狼沢の髙橋尚誠ちゃん5歳が死亡したものです。いかだの先頭に園長が乗り、すぐ後ろに、園児の中でただ一人、泳ぐ事ができなかった、尚誠ちゃんが乗り、川が右カーブし、流れが急になる所で、転覆したということです。警察は、園児に救命胴衣を着けさせていなかった事などから、業務上過失致死の疑いがあるとして、捜査を進めています。
今回の事故を受けて、保育園は、今後「いかだを使った川下り」を中止するか、続けるか検討中だという事です。この事故を受け、県はきょう、プールと水遊びに関し、安全管理の徹底を呼びかける文書を、県内全ての幼稚園と保育園に通知しました。

岩手放送サイトへ

平成26年9月10日付 岩手日報『保育園が保護者に状況説明 花巻の園児死亡事故』

ロザリオ学園と西条聖マリア幼稚園との事後対応の差を目の当たりにしております。
また、再発防止にむけた行政の迅速な対応、この差はなぜ生じるのでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、・・・・
9月10日付 岩手日報
『保育園が保護者に状況説明 花巻の園児死亡事故』

花巻市上根子の豊沢川で保育園の行事中にいかだが転覆し、高橋尚誠ちゃん(5)
=同市狼沢=が死亡した事故で、同市星が丘1丁目の花巻太陽の子保育園(瀬川とも子園長、園児141人)は9日、同園で保護者説明会を開いた。

同園は同日、保護者に休園を呼び掛け、大半の園児が休んだ。説明会は午後6時ごろから非公開で開催。当時の状況などを報告し、園児の心のケアについて説明した。
約1時間後、保護者らは口を閉ざしたまま会場を後にした。

市のホームページに掲載されている同園の活動内容によると、川・海遊び、山登り、畑づくりなどを挙げ、「自然の中で遊び、本物の道具を使う、人とつながる力を身につける体験がいっぱい」と紹介している。

事故は8日午前に発生。園児24人と大人3人が分乗したいかだ三つが、川下りを始めた直後に相次いで転覆。全員が川に投げ出された。救命胴衣を着用しておらず、浮輪や救命ボートなどがあったという情報もない。花巻署は業務上過失致死の疑いがあるとみて、事故原因を詳しく調べている。同園は10日、瀬川園長らが記者会見する予定。

花巻市教委は9日、市内の保育園・幼稚園50施設を対象に合同園長会議を開き、安全管理の徹底を確認した。県は10日、県内の全保育所(認可外含む)に対し、安全管理と事故防止の徹底を求める文書を市町村を通じて通知する方針。

 

毎日新聞岩手版
『難事故:花巻・川遊びの園児死亡で、保護者説明会開く』

花巻市上根子の豊沢川で自然体験学習として川遊びしていた花巻太陽の子保育園(同市星が丘1)の園児、高橋尚誠君(5)が流されて死亡した事故を受け、同園で9日夜、瀬川とも子園長らによる保護者説明会が開かれた。

説明会は非公開。冒頭で園側から経緯の説明や謝罪があり、質疑応答が行われた。
瀬川園長は8日夜、報道機関に「尊い命を失ってしまいおわび申し上げます。園外保育での安全対策が不十分だったことを心から反省し、ご遺族の方々に誠意を持って対応します」とのコメントを出した。

花巻署などによると、事故時は瀬川園長と保育士ら大人5人が引率し、園児24人が川で職員手製のいかだ3台に分乗。1台が転覆した際に投げ出された園児8人のうち高橋君の姿が見えなくなった。ライフジャケットは着用しておらず、高橋君は約40分後に約50メートル下流で見つかったが、心肺停止状態だった。

平成26年9月8日 NHKオンライン『5歳児流され死亡 保育園活動の川遊びで』

慎之介が加茂川で溺死したのは2年前です。
この間、繰り返されないように、その思いを持って事件と向き合い声をあげ続けていますが
情報が全く共有されない、活かされない現実を、再び、突き付けられました。
防げた事故、守れた命です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

5歳児流され死亡 保育園活動の川遊びで
9月8日 16時07分NHKオンライン

8日午前、岩手県花巻市の川で、保育園の行事で川下りをしていたいかだが転覆し、投げ出された園児1人が死亡しました。

8日午前11時すぎ、岩手県花巻市の豊沢川で男の子が流されたと、保育士から消防に通報がありました。
男の子は正午前に現場からおよそ50メートル下流の川岸で見つかり、病院に運ばれましたが、およそ1時間後に死亡が確認されました。
警察によりますと、亡くなったのは花巻市狼沢の高橋尚誠くん(5)で、8日は、ほかの園児23人と一緒にバスで豊沢川の川原に来ていたということです。
園児たちは、木の板と膨らませたタイヤチューブなどで作った畳一畳ほどの大きさの3つのいかだに乗って川下りをしていて、1つのいかだには大人1人と8人の園児が乗り、棒で操作しながら進んでいましたが、途中でいかだが相次いで転覆し、全員、川に投げ出されたということです。
保育士などが園児たちの救助に当たりましたが、その後、高橋くんがいないことに気づいたということです。
園児たちは救命胴衣をつけていなかったということで、警察が詳しい状況を調べています。
高橋くんを引率した花巻太陽の子保育園は「何も分からないのでお話しできません」と話しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>花巻太陽の子保育園は「何も分からないのでお話しできません」と話しています。

亡くなった高橋尚誠くんを思ってほしいです。
死亡事故を引き起したことを真摯に受け止め、誠実な対応を切望いたします。

なぜ、このような計画をしたのか、安全危機管理体制はどうなっていたのか
やり過ごす事無くしっかりと検証していただきたいと思います。

平成26年9月8日付愛媛新聞 『西条・加茂川園児死亡遺族らが東京で「安全学会」』

平成26年9月8日付愛媛新聞
西条・加茂川園児死亡遺族らが東京で「安全学会」

【写真】教育関係者らが集まった「子ども安全学会」であいさつする吉川豊さん(中央)
=7日午後、東京・有楽町

 
2012年、愛媛県西条市の加茂川に幼稚園のお泊まり保育で来ていて流され亡くなった吉川慎之介ちゃん=当時(5)=の遺族らが、保育・教育現場の危機管理などを研究する「子ども安全学会」を7日立ち上げ、東京の日本外国特派員協会で講演会を開いた。

学会は、教育現場で子どもを亡くした複数の遺族や専門家らが、これまで行っていた勉強会を発展させる形で発足。幼稚園や学校などで起きた子どもの事故事件の情報共有や研究、シンポジウムなどを通して、情報発信や提言をしていく。

講演会では、「保育・教育現場の事故事件から子どもの安全を考える」をテーマに大学教授ら3人が登壇し、教育関係者など約50人が集まった。

遺族、保護者、子ども達、置き去りの「慰霊式」

7月20日
事件後、「何も話すことは無い」とし、刑事事件で書類送検されても、起訴されても
記者会見を行わず、裁判では「川が悪い」と主張し「争う」としている中で
このような報道がされるとは、驚きと共に、とても残念な思いです。
慰霊式についても、まずは、原因究明、説明責任を果たし
その上で、形式的なものではないものを行っていただきたい、とお願いをしていました。

ロザリオ学園、そして先生達からも、慰霊式を行った事や慎之介への思いなど
何の報告も連絡もなく、この記事で、偶然、知った次第です。

2014年07月21日(月)愛媛新聞
事故2年、祈りささげ 西条・加茂川園児死亡

【写真】園児が亡くなる事故が起きた加茂川の河川敷で開かれた慰霊式=20日午後3時40分ごろ、西条市中奥

2012年7月20日に愛媛県西条市中奥の増水した加茂川で西条聖マリア幼稚園(同市大町)の「お泊まり保育」中に吉川慎之介ちゃん=当時(5)=が流され死亡した事故で、
園を運営する学校法人ロザリオ学園(松山市)は20日、事故現場付近の河川敷で慰霊式を開いた。
事故発生時に合わせ午後3時半に始まった慰霊式には教職員ら約20人が参列。
黙とうの後、「(遺族らに)慰めと希望が与えられ、力づけてくださいますように」と祈りをささげた。

この記事も、教えてくださった方がいなかったら
何も知らずに、過ごしていました。
胸が痛みます。

愛媛県西条市 加茂川での水死事故

12日、同じ場所で、同じ高校に通う生徒が、同じような状況で溺死した関連記事を更新したばかりです。
12日の事故は、全国ニュースで大きく報道されました。
それでもまた、繰り返されてしまいました。
他人事ではなく、誰にでも起こりうる事故だという事
川遊びは楽しい、川はきれい、という楽観的な一面だけではなく、
一見穏やかに見えても、水流・水深・水温は場所によって複雑に変化している事、
「川は危険である」という事を深く認識していただくには、どうしたらよいのでしょうか。
二度と同じような事故が起きない事を切望します。

NHKオンライン 07月27日 21時14分
27日午後、愛媛県西条市の加茂川で、泳いで遊んでいた男子高校生が溺れ、病院に搬送されましたが、死亡しました。
27日午後4時半ごろ、愛媛県西条市の加茂川で泳いで遊んでいた高校2年の男子生徒が溺れたと一緒にいた友人から警察や消防に通報がありました。
男子生徒は、通報を受けて駆けつけた消防などによっておよそ30分後に救出されましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。
警察によりますと、死亡したのは、西条農業高校2年の、増田達允さん(17)で、27日正午ごろから友人などと川に遊びに来ていたということです。
増田さんは水深がおよそ5メートルある川の底に沈んだ状態で見つかったということで、警察は、一緒にいた友人などから話を聞くなどして当時の状況や事故の詳しい原因を調べています。
事故があった時、近くにいた西条市の20代の男性は、「一緒に来ていた友達が助けてくれと大声で叫んでいました。溺れた所は流れの速い場所なので、僕らはあまり行かないようにしています」と話していました。
また、近くで川に入って遊んでいた中学1年の男子生徒は、「きょうは川の流れが速くて、底のほうは水が冷たかったです。事故が続いているので、ここでは、もう遊びたくないです」と話していました。
現場付近の加茂川では、今月12日にも、同じ西条農業高校の1年の男子生徒が溺れて死亡しています。
西条農業高校の成高久豊教頭は、「今月12日の事故以降、生徒たちには何度も危険な場所に近づかないことなどを指導し、夏休み前の終業式でも徹底したばかりで、大変、残念です」と話しています。
学校では、28日、教員全員を集めて再発防止策について話し合うことにしているということです。

愛媛県西条市 加茂川での水死事故

防げた事故、守れたはずの命です。
慎之介が亡くなり7月20日で事件発生から2年を迎えますが
子供たちの命が守られるようにと
事件直後から、再発防止に向けという事を言い続けていますが、
教訓を活かすとはどういうことなのでしょうか。
一つの命、事故事件から学びきることなく、不幸で不運な事故として終わっていき
忘れられたころに、同じことが引き起こる
状況や事情は違っても、
「また、加茂川で子供が死んでしまった」
この事実に正直、やるせなさと徒労感は否めません。
とても悲しく厳しい現実と、改めて、向き合う決心をしております。

繰り返され続けている川・水の事故、子どもが命を落とす重篤な事故事件。
「天候が悪かった」「不運で不幸な事故だった」として終わらせるのではなく、
私達大人は真摯に向き合い、亡くなった子供たちの声に耳を傾け
事故の検証、原因究明、再発防止、予防に取り組むべきです。

【愛媛】 川で溺れた高校生が死亡
H26年7月12日 20時23分 NHKオンライン

12日午後、愛媛県西条市の川で、高校1年の15歳の少年が溺れて行方不明になり、
捜索の結果、見つかりましたが、死亡が確認されました。

12日午後2時ごろ、西条市を流れる加茂川で、
「友だちが川で遊んでいて行方が分からなくなった」と消防に通報がありました。
行方が分からなくなったのは西条市の高校1年生、矢野翔大さん(15)で、
警察のダイバーなどが付近を捜索しました。
その結果、およそ3時間半後の午後5時半ごろ、
岸から10メートルほど離れた深さおよそ2メートルの川底に矢野さんが沈んでいるのが見つかり、
病院に運ばれましたが、死亡が確認されました。
警察の調べによりますと、矢野さんは当時、友人6人と一緒に川で遊んでいて、
1人で川を渡ろうとしていたということです。
現場の川は、先日の台風8号などによる大雨でふだんより水かさが増し、
流れも速くなっていたということで、
警察は矢野さんが川遊び中に溺れたとみて詳しい状況を調べています。